その後、あたしは、「あれはなかったことにしてください」と伝え、今まで通り仲良くしたかったのだが、北斗はあたしのことを面倒臭いと思ったのだろう。

 自然と連絡が取れなくなり、縁も切れてしまった。

 ちょっともったいないことをしたなぁ……なんて思えたとき、あたしのこころは、ようやく復活の兆しをみせるのだった。

 ちなみに、北斗はあたしのことを「妹」として可愛がっていたということが、あとからもらったLINEでわかる。

 メッセージには、「陽愛は、妹みたいな感じだから……」という内容が記されていた。

 あたしは、「女」として見られてさえいなかった……

 「妹扱い防止キャンペーン」でもやろうかしら?

 なんて思うくらいみじめな気分になった。

 本当、なんで気づかなかったんだろうね。

 それにしても、彼女がいるなら、あんなことやこんなことをしないで欲しい。

 なんて思いつつ、彼女がいるとわかっていても、誘われたら断らないだろうなぁ……と、自分を哀れんだ。

 「断れない」のではなく、きっとあたしは「断らない」のだ。

 ということは、あくまでお互い様なわけで、どちらが悪いとかではなく、「イーブン」だったということになる。