数時間ほどたっただろうか、やがて意識が浮上する。
どうやらアーサーは先に起きていたようで、右手で無意識にその場所をさぐるとその手を握られ、またキスをされた。
「good morning」
「…もう昼だけど?」
「そうだな」
くす、と笑ったその顔は、これ迄見たこともないような優しい表情をしていて。
「お前、変わったよねえ」
「そうか?」
「前はそんなカオしなかったもん、俺の前ではさ」
「んー……なんか、お前がかわいくてしょうがないんだよなあ。髭の癖に…って言わせんなよ、馬鹿」
こつんと小さく俺の頭を叩いたアーサーは、照れくさそうにうつむいた。
「ふふ…ごめんね?」
「…ふん」
「あはは、真っ赤っかー」
むにむにとほっぺをつつくと、指をはぐりとくわえて甘噛みする。
その感触が気に入ったようで、何回か噛まれた後、ようやく手は解放された。
「なあ、もう少しほかんとこ、噛んでみてもいいか」
「えー…噛み跡つけないならいいけど」
「ん。Thanks」
はむり、はぐりと耳から順に、甘く噛む牙が首筋を辿って鎖骨へと下りる。
所々にかかる熱い息に、あらぬ欲望が刺激されてしまいそうだ。
「は……もう、いい?」
「あー…もう少し」
言ったその瞬間、ほんの少しアーサーの歯が強くくいこむ。
「ふっ………!」
「!…わ、悪い……」
「は、はっ…」
「……フラン?」
「何でも…ない。続けて…」