お母さんはご飯を作ったり作らなかったりだ。
作るって言っても朝作れる簡単なもの。
それでも私は作ってくれる事が嬉しいんだ、これだけが唯一忙しいお母さんとの繋がりな気がするから。

私は冷蔵庫にあった具材でシチューを作った。
お母さんも帰ってきたら食べてくれるはず。


ガチャガチャ

『ただいまー!!』

ん??
んあ、寝てたのか。
時刻は夜の10時過ぎ。
そっか、私ごはん食べた後テレビ見ながら寝てたんだ。

『おかえりなさい。』

『入学式はどうだった?行ってあげられなくてごめんね。』

『まぁまぁかな。でも喋りかけてくれる子がいたから楽しかった。いいよ、私なんかよりお母さんは仕事優先させて。あ、シチュー作ったんだ!食べる?』

『お母さんまた会社の人と食べてきちゃった。ひなた明日の朝ごはんに置いときなさい。』

『そっか、わかった。』