3歳の誕生日、俺を拾ってくれる親が見つかって。


俺はその両親に大切に育てられた。


たくさんの愛情をもらった。


記憶がしっかりする頃には、その人たちが俺の両親なんだって疑いもしなかった。



それくらいに大切に育てられてたんだと思う。











─────だけど俺が12歳、小学校を卒業する頃。


身体の弱かった母親が突然の病で命を落とした。



父親の仕事はさらに忙しくなり、俺は1人で生活することが増えた。


だけど仕方がないんだって、


父さんは俺のために働いてるんだって言い聞かせて俺は1人でも泣かないで強く生きてきた。






そして中学を卒業した時。



俺は全てを父親から聞いた。






俺を育ててくれた人たちは本当の両親じゃないということ。


小さな頃、俺が本当の両親に捨てられていたこと。


施設で育てられていたこと。







俺はショックと驚きで、涙すら出なかった。





高校入学時。


海外出張の多い父親の負担を少しでも減らすために、寮での生活を送る決心した。


だから父親とあったのは2年前が最後。


頭の中は整理できないまま、今も刻々とただ時間だけが過ぎていく。


だけど今の俺の両親がくれた愛情があったから、俺はやさぐれずに済んだ。


人に優しくすることが出来た。