だけどこの子に出会ってから。


この子に恋をしてから俺の中で人との接し方にはっきりとした優劣がついた。


いつでもどこでも、何をしたって1番に優先するのは心音ちゃん。


この子しかいないんだ。










それがたとえ。
















これからの生活に不利になるようなことだとしても。













「歩結先輩…?」



「…あ、ごめん。どうした?」



「そろそろ帰りますか?」



そうだね、そんな時間だ。


はぐれる前はそんな話をしてたし。










───────────けど。








「その事なんだけどさ、もう1つだけ付き合ってくれない?」



終わりが近づけば近づくほど、キミを離したくなくなってる。


このまま俺のものになればいいのにって。


だけど、無理やりそうさせるわけにはいかないから。


せめて。









もう少しだけでいい。











────一緒にいれる時間を増やしたい。
















そう思うのは。












やっぱり俺のわがままでしかないんだろうか───────?