「でもね、あたしの事をちゃんと見て向き合ってくれる人たちに出会えたんだ…。あたしは桜河で…最高のクラスメート、最高の仲間を見つけることが出来た。……一輝くんに会おうと思えたのも、その人たちのおかげ」



玲弥、慧、真人、春樹。


それから……


奏夢くん、優空くん、湊叶くん、


翔斗先輩、楓先輩、歩結先輩。


皆、大好きな仲間────────



「…そっか。藍田から少し聞いてた。心音が…前に進もうとしてるって。少しずつだけど前に進んでるって。その人たちのおかげなんだな…」



「うん…。あたしはね、一輝くんを許せなかった。だけどね……」



ここに来るまでたくさん考えた。


あたしはどうするべきなんだろう。


一輝くんに会ってどうしたいんだろう。


たくさん考えて、たどり着いた結論は



「───────もう、いいよ。だからそれ以上、自分を責めないでほしい」



一輝くんを、許してあげること。



「……で、でも俺は…っ」



「確かに、前のあたしだったらずっと許せないままだった。だけど気づいたんだ…。許さないままだと、許せない方も、許されない方もずっと苦しいんだって…」



お父さんの話を聞いて、あたしはそう思った。



「だからね、あたしたち、元に戻ろうよ。……いや、かな…?」