扉を出てすぐ電話に出る。
「…はい?」
『あー、もしもし心音?今大丈夫?』
相手は叶愛ちゃんだった。
「叶愛ちゃん!大丈夫だよ」
『よし。じゃあ用件だけ伝えるね』
「うん」
屋上に続く扉にもたれかかり、あたしは叶愛ちゃんの言葉を待った。
『突然なんだけどさ、今日の放課後って空いてない?』
「今日?」
今日は…バイトもないし、特に予定も入ってない。
「空いてるよ」
『……宮城、今日会えるって言ってるみたいだけど…どうする?』
─────今日……。
会いたいと言ったのはあたしだけど…。
まさかこんなにすぐその日がやってくるなんて…。
だけど、それでも──────────
「分かった。…会わせてほしい」
『うん、分かった』
このチャンスを逃したら次はないかもしれない。
自分で決めたことなんだ。
行くしかない。
その後詳しい場所と時間を指定してもらって、今日の放課後に会うことが決まった。
『…それじゃあ、決まりで。気をつけて行っておいで。私は…何があっても心音の味方だから!』
「うん…ありがとう。叶愛ちゃん!」
いよいよ今日。
あたしは全てのことに
────────終止符を打つんだ…。