「ほら、心音もそこまで好きじゃないってさ」
「うるせぇな。だからって嫌いとは言ってねぇだろ?」
「お前ら本当…いい加減にしろよ」
「湊叶は黙ってろよ。お前はどっちなんだよ?」
「別に好きとか嫌いとかねーよ。こいつといられれば場所なんて関係ねー」
…み、湊叶くん……!
またさらっと凄いこと言った……。
最近気づいたんだけど…湊叶くんっていつもそうなんだよね……。
本当、最初会った時とは別人すぎて戸惑う…。
「…いや、まぁそれもそうだな」
「るせぇ!んなもんあたりめぇだろ」
「何か最近、いつもこんな感じだね」
「俺の役目も終わりかなぁ(笑)」
「そんな事ない。歩結は必要だよ、奏夢たちにとっても俺らにとっても。な?楓」
「うん」
「ははっ。ありがとう」
だけど…。
何だかんだ言ってあたしも、皆と過ごすこういう普通の日常が好きで。
幸せだなーって、そう思うんだ。
─────♪
あれ?着信…?
「すいません。電話、取ってきていいですか?」
「うん、いいよ。行っておいで」
歩結先輩に許可を得て、あたしは屋上から出るため重たい扉を開けた。