「いいじゃねぇか。俺は好きだぜ?屋上」



────────屋上。



「それは奏夢が毎日来てるからだ」



「ん~、でも俺も好きだなぁ。ここ」



「さすが翔斗さん。分かってくれると思ったっす」



ここが1番人が少ないんだよね…。


最初は食堂とか教室でもチャレンジしたんだけど…。


このメンバーが揃うとどうしても目立っちゃって。


空き教室も挑戦してみたんだけど…、


狭すぎて断念。


結局残ったのはここしかなかったんだよね…。



「翔斗の言う通りかもね。空気も空も綺麗だし、意外と落ち着く場所かも」



「そーっすよね。歩結さん!」



「調子に乗るなよ、奏夢」



「あ?何だよ、優空」



「あー、はいはい。落ち着いてよ2人共」



何か似たような光景、朝にも見たな…。


それよりも…


優空くんと翔斗先輩はやっぱり素の方がいいな…。


教室や学校で話す時はどうしても作った方の自分になっちゃうから、こうして素に戻ると改めて思う。


よかったなぁ…なんて。



「心音は?ここが好きだからいつもここに来るんだよな?」



「うん、まぁ…そんな感じかな?」



「何だよ、その曖昧な感じ」



「ごめん……」



1番の理由はここしかないから、なんだけど…。


あたしも屋上は好き。


何も考えなくていいと思える場所だから。