「……あの後、何があった?やっぱり俺には言えねー話?」
すると心音は、下を向いたまま話し出した。
「言えない訳では無いんです。ただ、あたし自身も今頭がぐちゃぐちゃで…どうしたらいいのか分からないんです……。もちろん、優空くんの事を信用していない訳ではありません。むしろすごく頼れる存在です。だけど…これは自分の事だから甘えちゃいけない気がして…」
そこまで聞いて分かった。
それは心音が自分で決めた選択なんだって。
心音が辛い顔してんのなんて見たくねぇ。
けど、こいつが考えて出した答えがそれなら俺には従うことしか出来ない。
悔しいけど…傍で見守ってることしか出来ないんだ。
そう考えた俺は立ち上がり
「…分かった。心音がそこまで言うなら無理に聞いたりはしない。けど、どうしても辛くなったらすぐ頼れ。俺はいつでもお前の傍にいるから」
心音にそう言い、扉に手をかけた。
「…はいっ!ありがとう、ございます……っ」
だけど…こいつの声があまりにも震えてたから気になって振り返ると、心音は静かに、声を押し殺して泣いていた。
「……ごめん、やっぱ無理。こんなお前置いて帰れないよ。大丈夫じゃないよね?色々と」
「…いえっ。大丈夫です………っ」