「…へぇ」



「もう、冷たいっ…。やっぱり嬉しいのはあたしだけなんだね」



本当は湊叶くんが本心で冷たくしてるんじゃないってことは分かってるけど。


つい悔しくて意地悪言っちゃった…。



「お前本当めんどくせぇな。…嬉しいに決まってんだろ」



だけどそんなあたしの意地悪で素直に伝えてくれる湊叶くんにはやっぱり適わない。


少し照れくさそうにそう言った湊叶くんに手を引かれあたしたちは新しいクラスへと向かった。














「みーおっ。今年もよろしくなぁ」



「おはよう心音ちゃん」



クラスに入るとあたしの大切な友達二人。



「慧、玲弥。今年も一緒で嬉しい!よろしくね」



残念ながら真人と春樹は離れちゃったけど…。


今年もこの2人とは同じクラス。


ここに来て最初の友達二人が今年も同じクラスなのは本当に心強い。



「湊叶も、よろしく」



「よろしくな」



「…あぁ」



「おーい、お前ら。席つけよー」



今年も変わらず透瑠先生の声で皆が席に着く。



「今年は湊叶と心音が一緒か。あんまりラブラブすんなよ(笑)」



「…めんどくせぇこと言うなっつーの」



そんなこんなであたしたちはクラス公認?のカップルになったことは言うまでもないかな。



「心音ちゃん。よかったね」



「うんっ。ありがとう玲弥」



今年はどんな1年になるんだろう。



「じゃ、改めて自己紹介な。今年2-Bの担任になった日向透瑠だ。1年間よろしく」



こうしてあたしたちは新学年を迎えた。














☆*☆*☆*☆*☆














───────放課後。



「心音ちゃん。また明日ね」



「また明日!気をつけて帰れよーっ」



「うん、また明日」



玲弥たちに手を振りかばんをもつと



「心音、帰るぞ」



同じくかばんを持った湊叶くんが傍にやってきた。