湊叶くんがこんなに甘いなんて最初の頃は想像も出来なかった。


それでも今ここにあるのがあたしたちの全てで、現実。



「さんきゅ、心音。改めて…これからよろしく」



「こちらこそ。お願いします…!」



その後は2人で何をするでもなく、ただただまったりした時間を過ごした。














「わざわざ部屋の前までありがとう」



帰りも部屋の前まで丁寧に送り届けてくれる湊叶くん。



「別に。…彼女だし。近いっつっても何かあると困るから。心音、ドジだしな」



「もぉ、一言多いってば…」



「怒んなよ。じゃ、また月曜日。部屋の前で待ってる」



交代制監視役ももちろん終了。


月曜からは湊叶くんと学校に行く約束をした。


それだけで実感する。


彼氏、なんだな…って。



「うん、寝坊しないようにする」



「したら置いてくから」



「湊叶くんのバカ…っ」



「嘘に決まってんだろ。ちゃんと起こしに行ってやるよ」



「うん…じゃあ、おやすみ」



「ん、おやすみ」



あたしが部屋に入るのを確認すると湊叶くんは自分の部屋へ戻って行った。

















お風呂をすませ布団に入り、あたしはさきほど追加された湊叶くんの連絡先を眺める。


これからは用がなくても連絡、していいんだよね…。


汐梨ちゃんや玲弥たちに報告のメールを送ったあたしは、未だに火照る頬に少し嬉しさを感じながら眠りについた。