「自分のせいだけど。今言われると結構グサッとくるよな」



「あ、ごめん……」



「謝んなくていい。そう思われても仕方ねぇことしてたのは俺自身だから」



最悪な印象が、変わり始めたのはきっと。



「…文化祭の日。俺が気持ちを自覚したのはあの日、後夜祭が終わったあとでさ。お前は知らねーと思うけど俺ら解散したあとちょっと集まって話したんだ。翔斗さんの過去のこともあったし。その時お前の話にもなって…自分の中に渦巻いている感情を無視することなんて出来なかった」



文化祭は、あたしだけじゃなく皆の気持ちの変化のきっかけだったと思う。


それはきっと、色んな意味で。



「集まってたなんて全然知らなかった」



「まぁ、知られちゃまずいだろ。お前の話してんのに。気持ちを認めてからは自分でも驚くくらいにすっきりして想いを止めらんなかった。お前を好きになってからは知らねー感情ばっかで戸惑ったけど…それでも誰にも渡したくなかった。俺が幸せにしてーと思った。気づいた時にはもう心音にハマってたっつー事だな」



知らなかった。


湊叶くんがそんな事を思っていたなんて。


あたしは湊叶くんが自分のことを好きだということに納得するのにも時間がかかったから。



「あたしもね、湊叶くんと一緒にいるうちに本当は優しい人なんじゃないのかなって思い始めて…。もっと色んな湊叶くんが見てみたいと思った。それが恋だなんて気づかなかったけど…、たぶんそう思い始めた時からずっと湊叶くんに惹かれてたのかもしれない」



「…さっきはあー言ったけど。俺はあいつらの誰よりもお前を…心音を大切に思ってる自信あるから。だからずっと、そばにいて欲しい。どんな時でも俺が守ってやるから」



かっこよすぎるよ…湊叶くん。



「うん、嬉しい…。あたしは湊叶くんのそばにいる」