文化祭の日、俺はこいつが他の女とは違うんだってことを思い知らされた。


女なんてどいつもこいつも金だと思ってた俺の考えをこの女はいとも簡単に覆してきやがった。


最初はどーせ見せかけだけだと信じてもなかったけど心音の行動や真っ直ぐな瞳から嫌でも信じざるを得なかった。



「貝殻たくさん落ちてるね。集めてみようかな…」



「手伝ってやってもいいぜ」



「うん、一緒に探そうよ」



「しょーがねぇな!」



そして…そんな心音にも辛い過去があった。







文化祭の時心音が反論してきたあの言葉は実は自分にも言い聞かせてたんだとか。


人を見た目だけで判断しねぇ


大事なことだなって心音を好きになってからは柄にもなく思うようになった。


この俺をここまで惚れさせたんだ。



「奏夢くん、みて。この貝殻形はあれだけどすごくキラキラしてる」



本当、たいした女だぜこいつは。



「形もよくなきゃ意味ねぇだろーがっ」



「ふふ。だよね」



俺たちは貝殻拾いに没頭した。














☆*☆*☆*☆*☆















「ふぅ~…集めすぎちゃったね…」



気づけば日は落ち、海に映る空色はオレンジに変わっていた。



「おう、拾いすぎだな。ちょっと休憩でもすっか」



海から少し離れた石のブロックに2人で腰を下ろす。