「行け、早く走れッ!…クソッ!このドアは無理だ、開かない!他に出口は無いか⁉︎」

「待て、ここの窓が開くぞ、ここから出よう」

「…わかった、みんな俺に続け!」

狭い屋敷の中で数人の若者が
何か大声で喋っている。
彼らは酷く息を荒くし急いでる様子で、
中には泣いている者や、
腕や腹、様々ところに引っ掻かれた様な
痕がある者もいた。
そして、そこにいる者は必ず、
何かしら武器を持っていた。

鉈やエアガンを待っているものもいれば、
武器とは呼ばない様な、
シャベル、鍬、バット…
そんなものを持っている者もいた。

そして、その内の1人のリーダー格の男が

「みんなよく聞け!俺たちは今からここから脱出する!そして、みんな生きて帰る!」

と言うとその場にいた者は

「「「おおっー!」」」

と叫んだ。






そんな声が上がった瞬間、

部屋に何者かがドアを突き破り入って来た。

それも大勢。

『奴ら』は皆、

体の至る所から血を流し、

牙を剥き、

己の欲望のまま、

うめき声を上げて、


その焦点の合ってない化け物の目で、

じっ…と見つめた。

そして、『奴ら』は、




次々にその場の少年少女たちを貪り喰った。



その時、彼らの後方にいた少年が
鉈のようなもので次々に『奴ら』を
断ち切った。

そして、『奴ら』の鮮血が飛び、
床からは甘い腐臭がする。