ざわざわ、教室が揺れる。


「前川君、美麗の事庇ったって事は気があるんじゃない!?


「若草さんヤルじゃん!」


皆好き勝手言ってくれる。


「美麗……」


梨花が私に心配そうな目を向ける。


嫌…………


こんな空気で教室なんか居られない!!


私は恥ずかしさと惨めさで居ても立っても居られず、


教室を飛び出した。


梨花が何か後ろから言っていたけど、振り返らずに。

-------❁ ❁ ❁-------


「ハッハッ……」


今はお昼休み。


終わるまで後10分程度ある。


ここで時間を潰そう……


走ってきたのは、屋上。


頭の中は前川君の事でいっぱいだった。


私をかばってせいで転校早々騒がれちゃったじゃん………


何とも言えない罪悪感が湧いてくる。


「美麗ちゃん!!」


!!


な、何で。


階段から前川君の声がする。


屋上に登ってきてる!


や、やばい!


今来られたらどんな風に接すれば良いかわからない……。


私の思いも虚しく、ドアが開き前川君が姿を現した。


「あ〜いた……。」


「………前川、君」