「ちょっと、邪魔!」


「わっ!?」


クラスのリーダー
安藤緑(あんどうみどり)にぶつかってしまい、


尻もちをついてしまった。


「美麗!だいじょ…」


「あ〜ごめんね?若草さん?そんなとこにいないでよ〜邪魔!」


梨花の言葉を遮り大きな声で安藤さんが言う。


キャハハと周りの女子たちが笑う。


いつも長すぎるくらい長い髪をポニーテールに束ね、可愛くメイクしてる安藤さん。


サバサバしてて、メイクなんて無関係な私と正反対の彼女は正直苦手…。


彼女は何かと私にちょっかいをかけて来る事が多い。でも…


《邪魔》


初めてハッキリと言われた悪口。


「っ……」


大した事ない言葉だけど、


少し胸が痛む。


惨めな姿を晒したくなくて、


梨花を置いて足早に教室を出ようとした瞬間。


ドンッという音とキャーッという悲鳴が耳に入った。


何があったの?


足を止め、振り返る。


そこには、


「な、何すんのよ!?」


安藤さんを壁に追い詰めドンっと足を壁に打ち付け、爽やか過ぎて恐ろしい笑顔を向けるー


「前川君!?」


「えっ…」


梨花も声を漏らした。


私は慌てて止めに入ろうと教室の中に再び入るけど…


「美麗ちゃんに邪魔って言った?
お前らの方が俺にとっては100倍邪魔なんだよ?言動弁えろ!」


この言葉が、私を動けなくしたんだ。