俺の思考は美麗ちゃんの言葉で途切れた。

ふ、普通そこ謝る!?


「な、なんで!?美麗ちゃん何も悪くないじゃん!」


つい大声を出してしまった。


「もーうっさい!だから!私のせいで、転校早々目立っちゃったからって事!
わかった!?」


早口出たのとまくしたてられ、
俺はコクコクと頷く。


彼女を見つめる。


君の凛とした瞳と目が合ってしまい、


そっと目をそらす。


首につけている青空のような爽やかな色の月のネックレスに


夏の太陽の光が乱反射する。


……優しい。
俺の心に美麗ちゃんの優しさがじんわりと響き、


「とにかく何かあったら言えよ!」


とそっけなく言うとニヤつきながら俺は屋上を後にした。


「………ふーん」


そんな呟きがどこからか聞こえてきがした。


気のせいか?


美麗ちゃんの事で浮かれて頭がいっぱいだった俺は、屋上の階段の陰に隠れていた存在など、気づきもしなかった。