二日前と変わらない景色。
澄んだ真冬の空気を吸い込みながら、わたしはくっきりと見えるレインボーブリッジを眺めていた。
きれいにまとまらなくてもいい……。
滅茶苦茶でもいい……。
志乃さんが言ってたことを思い返す。
わたしが想ってきた秀への気持ち。
それを、そのまま伝える。
可愛げのある言葉とか、感動的言葉なんか狙わない。
飾らない、
ありのままの言葉で……。
少しかじかんだ手でスマホを握り、秀の番号を画面に出す。
“せーのっ”なんて心の中で掛け声を掛けて、一気に発信ボタンを押した。
呼び出し音が鳴り出すと、緊張と不安で息が止まりそうになった。
出ない……。
あと何回で出る?
今、電話出れないのかな……。
繰り返される呼び出しがすごく長い時間のような感じる。
『――ただ今、電話に出ることが……』
通じたと思った電話から聞こえたのは、留守電の女の人の声だった。
やっぱ、今出れないんだ……。
その声を聞きながら電話をきろうと思った。
そんなときだった。