「か…香奈?」
「ずっ…泰葉…良かったね…」
安川がボロボロと泣き出した。
これは、これでまた目立つ。
「安川、座れよ。ほら」
立川がポケットからハンカチを出し、安川に手渡した。
「ありがと」
ハンカチを手にとると、安川は座った。
「香奈…」
妹尾が、心配そうに安川を見つめる。
「もうコソコソする必要ないんだね…ずっ…堂々と、高橋と一緒にいられるんだね」
「!」
…安川ー…
「泰葉、今まで我慢すること多かったもんね。高橋のせいで」
「おい…まぁ、そうかもしれないが」
チラッと横目で妹尾を見ると、安川を見つめたまま目に涙を溜めている。
「もう何も気にすることないし、我慢することないんだよ、泰葉…良かったね…おめでとう」
高校の時、妹尾の一番近くにいたのは安川だった。
色々あって、妹尾を支えていたのは安川。
それに、立川もー…