「泰葉!!」
安川が立ち上がり、妹尾に駆け寄る。
やっと安川から解放されたかと思うと、思わず安堵の息をついてしまう。
「久しぶり~!待ってたよ、ずっと待ってた」
テンションの高い安川に、妹尾も戸惑っている。
「ご…ごめん、ごめん。病院寄ってきたから」
「さっき、高橋から聞いたー!てっきり、泰葉が妊娠したかと思ったよ」
「にっ…」
妹尾の顔が真っ赤になった。
酔っぱらい、いい加減にしろよ…
「妹尾さんも安川も、座ったら?」
立川が立ったままの二人を呼ぶ。
「あ、うん」
酔っている安川の手を引き、二人は席に着いた。