「高橋先生」

と、呼ぶようになる。


「ん?」

窓の鍵を閉めていた先生が振り返った。


「…なんでもないです」


「はは。なんだよ!何でもないって」

先生が笑った。


「すいません。じゃあ、先に戻りますね」

「あぁ。少し時間をおいて、俺も行くよ」

先生は手を挙げ、ヒラヒラと振った。


私が生徒だった時と変わらない姿。




何年も、ずっと大好きな先生ー…