「次の休みの日、デートしませんか?」
「…え?」
何故か、先生は驚いた反応をしている。
「え?」
その反応に驚き、同じように返してしまう。
あれ、変なこと言ったかな?
「いや、悪い。まさか、妹尾から誘われるとは…嬉しいんだけどな、ちょっと驚いた」
先生は手で口元を隠している。
「よし…デートしよう!」
口元を隠している手とは反対の手で、頭をぽんっとされた。
その返事に、ほっと安堵の息をつく。
「その日は呼び出されても、行かないからな」
「いや…それは行った方がー…」
「厳しいな、妹尾先生は。まぁ、行かなきゃいかんけどさ」
わざとらしく、大きなため息をつく先生。
「けどー…」
「けど?」
「学校では皆の先生だけど、プライベートは私だけの先生になってほしいです」
生徒の時から思っていた。
先生は、皆の先生なんだとー…
いくら先生の特別になれたって、学校では皆と同じだった。
教師として同じ立場になれば、そういう風に思わなくなるだろうと思っていたけどー…結局、同じ。