「…悪かった。妹尾」
「!」
あー…また私はー…
「昼休みに言ったこと、説得力ないよな。俺も気を付けてないと…」
目の前にいる先生は俯き、頭を掻いている。
また嫌な言い方をー…
「いやー、でも、まさか妹尾に怒られる日がくるとは!若いやつは成長が早いな!なぁんて」
先生は顔を上げ、笑って言った。
「あの…先生」
「高校の時の成長は3年間見れたけど、大学の4年間は見れなかったのは残念だったな。たくさん学んで経験して、誰が妹尾を成長させたのか…一緒に過ごせなかった4年間に嫉妬するよ」
…先生ー…
「…私の目標は先生です」
その大きな背中を目標に。
「知ってるよ」
「先生の隣に立ちたいために勉強してきました」
先生と生徒の関係ではなく、堂々と先生の隣に立ちたいと願った高校時代。
「だから、簡単には先生の隣は譲れません」
高校の時、先生のことを好きな子がたくさんいた。
今も、先生のこと好きだという生徒がいると耳に入る。
さっきの女子生徒も、きっと本気で先生を好きでー…