「妹尾先生って、高橋の元教え子なんだって?高橋のことが好きで教師になったんでしょ?わざわざ卒業した母校 を選んで、教師してるぐらいだし」

生徒は妹尾と向かい合いー…


「そこまでするって、逆に怖いよね。ストーカーみたい」

笑顔でそう言った。



ストーカーって…俺と妹尾はー…


「おい、いい加減に…」

「…私は高橋先生を尊敬してる。だから、教師を目指そうと思ったの。もちろん、好意もある。けど、私は今のあなたみたいに、高橋先生が教師としてマイナスになるようなことはしない」

妹尾は生徒の目を真っ直ぐと見て、落ち着いた声で言った。



「何よ……マイナスって…」

「今、扉を開けたのが私以外の先生だったら?教師と生徒が抱き合ってる…それだけで大問題になるのよ」


感情が表にはあまり出てないが、妹尾の声のトーンで怒りが伝わってくる。


「本気で高橋先生が好きなら、もっと考えて行動しなさい」