「…何…してるんですか?」
扉を開けたのは、妹尾だった。
なぜかホッと、安堵の息をついてしまう。
他の先生じゃなくて良かったと思う気持ちの方が強い。
「妹尾先生、いいとこだったのに邪魔しないでくださいよ」
なっ……何、勝手なことを言ってー…
「邪魔…?」
生徒の言葉に、妹尾の表情が変わった。
「もう離れなさい。ふざけるのもいい加減にしろよ」
首から腕を引き離すと、さっきとは違い簡単に離れた。
「ふざけてないよ。私、さっき高橋に告白したの本気だもん」
「!」
妹尾の前で、何てことをー…
「お前な…俺は、生徒と恋愛する気ないって言ったー…」
「妹尾先生も高橋のこと好きでしょ?」
「!?」
生徒は人の話を聞くことなく、勝手に話を進めていく。
"妹尾先生も高橋のこと好きでしょ?"ってー…
さっきのことといい、こんなに鋭い生徒だったか?
驚いて言葉も見つからない。