「あの年頃の男たちは、妹尾が思ってる以上に野獣だからな。いくら生徒でも、気安く準備室に入れるな」

「いや…でも私なんか、おばさんって言われてますし」

「それは女子だろ?それだけ、女として妹尾に敵意を持ってるってことだ」

私に敵意?なんで?

「でも…」

「なんでもだ!!これは、教師の先輩として言ってるんだ。とにかく、気を付けろよ」


最後は強い口調で、高橋先生が言った。


「…はい。すいません」


準備室での生徒との交流も、生徒との距離感が近く感じて良いと思ってたのにー…


私はダメだけど、先生はー…?



「じゃあ、高橋先生どうなんですか?」

「…え?」


「高橋先生の数学準備室に、女子生徒がしょっちゅう出入りしてるみたいですけど」

「…」


まさかの反論に驚いたのか、高橋先生は瞬きを何回もしている。

「あ…」


その反応に、思ったよりも強い口調で言ってしまった自分自身に驚く。