「どうしたの?ぼーっとして」
「え…あ、ごめん、ごめん。次の授業のこと考えてた」
「もー、俺の話聞いてよ!」
「ごめんね」
「コイツ、妹尾ちゃんのこと好きだから。話聞いてやってよ」
「おっおい!!やめろよっ」
真っ赤になった、男子生徒。
数年前だけど、私もこんな風に先生を好きだったんだろうなー……
「ふふ。ありがとね」
今は教師として、生徒の想いを受け止める側になった。
思わず、笑みが出てしまう。
「せ……妹尾ちゃん!俺、マジで…」
「おい、こら。妹尾ちゃんって何だ?妹尾先生だろ?」
「「「!?」」」
背後にから聞こえた低い声、感じる寒気。