振り返ると、そこにいたのは……
「せんせ……じゃなかった…高橋先生」
私が高校の時の担任でもあり、今では教師としての先輩である高橋先生がいた。
「緊張してるんですか?妹尾先生」
微笑みながら、高橋先生が言った。
「はい…なんか、教室に入るのに躊躇っちゃって」
はははっと、笑って言ってみたりする。
「妹尾先生なら大丈夫ですよ。頑張ってきてください」
ぽんっと頭を撫でられた。
あ……
「っと…ついクセで。もう妹尾も先生なんだから、こういうことしたらいけないよな」
なんか、懐かしい。
「…いえ、元気出ました。ありがとうございます」
高橋先生はいつもこうやって励ましてくれた。
「そっか、良かった」
そう笑って言うと、高橋先生も授業を行う教室に向かった。
その後ろ姿を見送り、もう一度気合いを入れる。
「よし!」