大きな音と女子の声。



下村が倒れた




「おい?!下村?下村!」



返答もせずぐったりとしている



熱中症か?

…嫌、汗も全然でてないし…




「すまん、俺、下村保健室連れてくさかい
皆は自習しとって!」


下村を抱えて廊下を走る。





保健室に着いて、保健の先生の山口先生に診てもらっても熱中症ではないと言われて…



すぐに救急車を呼んだ。

俺は一緒に救急車に乗って近くの大きな病院へ向かう。



「下村…」



下村の小さな右手を強く握って目を瞑る






病院に着いて下村はいろんな検査をされた。


その間にご両親に電話を済ませて椅子に座る



肩が震えはじて嫌な予感がした



その時、医師に呼ばれて脳神経外科と書かれた部屋に入るとレントゲン写真が沢山貼ってある。




「大変、言いにくいのですが…」




頭が真っ白になる俺


「せいぜい後…半年でしょうね、」



俺の眼をしっかり見ながら話す医師は
真剣な表情で…



俺は全部説明を聞いた後、部屋を出た。


下村の病室に向かう


病室に着いて中に入ると

口には酸素マスク。

服を着替えさせられていて眠っている



ピッピッピッ っとなる機械音だけが、病室に響き渡る



「なぁ、下村?…」

そう問いかけても返事がこない


「…下村、お前病気なんやって…。」


そっと髪を撫でる俺は涙がこぼれた



「半年って…短すぎやろ…」



突然の宣告。


俺はお前の担任の先生。



でも、俺にはそれ以上の感情があるんや…



なぁ…、呼んでるんやから返事してや。


「下村、下村…」