次の日私は2限から講義があった。
1人で余裕をもって登校して、学校の敷地内のベンチで太陽の光を浴びながらぼーっと考え事をしたりする。今日は目が覚めるようにコンビニでコーヒーを淹れてきた。

あっ
高梨くん

週1くらいだからいつもとは言わないのかもしれないが、いつも座っているベンチに、高梨くんが座っていた。

「高梨くんおはよ!」
「…」
返事がない。え?無視?

肩を指先で突いてみる。高梨くんは本を膝の上に広げて顔を下に向けている。
…寝てる?

「…あ、おはよ」

寝ていたようで、眠そうに目をこすった。
「起こしちゃった?」
「いや」

これ以上話を引き出せそうにないので、ベンチの席をひとつ空けて座った。
イヤホンをするのは忍びないので、我慢した。高梨くんもいつもしているイヤホンは首にかけていた。

「加西さん毎週いるよね、土曜なのに」
不意に話しかけられたので一瞬無言になる。
「あ、そう、うん、2限講義だから」
「…へえ」


それだけ?
本当、よくわからないなあ…