先生に番号を振られたあと、黒板にマス目と番号が書かれる。
一番後ろだ。
黒板見えるかな…
移動するよう言われて、みんな席を立ち始める。
隣は誰?
「…加西さんそこ?」
「わっ」
喋った
喋るんだ高梨くん
「そう!隣?」
無言で頷く。
つまんなそ、女の子がよかった。
「よろしくっ」
返事は期待していない。だから視線は彼から逸れていた。椅子を引いて座りながら言った。
「うん」
…無視よりましか。
絶対自分のことカッコいいって自覚してるでしょ?そんな男は嫌いだよ。
今回の授業は席替えで終わり。
これから1ヶ月間、授業は4回、先が思いやられる。
「哲弥くんと隣よかったね!」
友達の瞳が呑気そうに言う。
「よくないよ、絶対つまんないって!」
悪びれもなく馬鹿にしたように笑って言った。
わかってる?カッコいいだけなんてつまんないよ、高梨くん。