「へぇ? 莉愛さんと逢ってたんだ?
それは良かったわね」
「莉愛が男に絡まれていたので仕方なく声をかけましたが、それ以上のことは本当に何もないです。 私を信じてください。」
正直に話してくれたらいいのに。
それで、わたしに気を使っているつもり?
全然……分かってないよね。
わたしにとって一番悲しいのはね。
八乙女に、こうして隠し事されることよ。
「別にわたし怒らないから。 隠さなくていいよ」
「ですから……。 あれは誤解だと言ってるじゃないですか」
「……もういい。 勝手にすれば」
八乙女をひとり残して、公園の出口に向かって歩き出す。
腕を掴んどいて、あれは誤解だなんて……。
口実なんか聞きたくもない。
生意気なのよ……。