「お嬢様…見つけましたよ。」




視界に映る見慣れた革靴。



聞き覚えのある声。




「別に探してなんて、一言も頼んでないんだけど。」




紛れもなくそれは八乙女で、わたしを迎えに来た。



連れ戻すために。




「心配されたんですよ。 家にまだ戻られていないなんて」




…嘘つき。



どうせ心配なんてしてないクセに。



執事だからでしょ?



探しに来ることが義務なんでしょ?