異様に静まり返っている部屋に、私のすすり泣く声だけがする。
そんな中で、翠狼が低い声を発して辺りを見回した。
「皆、引き上げるぞ」
言い終えて踏みつけていたマリウスを自由にすると、翠狼は彼を見下ろした。
そんな翠狼に、横たわったままのマリウスが問う。
「……私を自由にすると、王に叱られるのでは?」
翠狼が答えた。
「確かに、お前を捕らえて地下牢に閉じ込めておく計画だったが気が変わった。だが俺のこの采配を王が咎める事はない」
「……何故?」
不思議でならないと言ったようにマリウスは僅に両目を細めた。
そんなマリウスを見下ろして翠狼が静かに答えを返す。
「俺たち人狼族は信頼関係で結ばれているからだ。王から任せられた者の決断は、全員の決断だ」
そんな中で、翠狼が低い声を発して辺りを見回した。
「皆、引き上げるぞ」
言い終えて踏みつけていたマリウスを自由にすると、翠狼は彼を見下ろした。
そんな翠狼に、横たわったままのマリウスが問う。
「……私を自由にすると、王に叱られるのでは?」
翠狼が答えた。
「確かに、お前を捕らえて地下牢に閉じ込めておく計画だったが気が変わった。だが俺のこの采配を王が咎める事はない」
「……何故?」
不思議でならないと言ったようにマリウスは僅に両目を細めた。
そんなマリウスを見下ろして翠狼が静かに答えを返す。
「俺たち人狼族は信頼関係で結ばれているからだ。王から任せられた者の決断は、全員の決断だ」