「口を裂いて顎の骨を割ってやろうか」

マリウスがジリジリと翠狼の首を締め上げたまま手首を動かして彼の口に指をかけて笑った。

「君が死ぬ前に魅惑の血をいただくとしよう」 

バキバキと嫌な音が聞こえてきて、私は思わず叫んだ。

「嫌だ、やめてーっ!翠狼っ!」

「だめ!出ていったらダメ!」

思わず翠狼に駆け寄ろうとした私は、桜花さんに腕を掴まれた。

その時、キラリと翡翠の瞳が光り、彼は口を閉じようとして全身を震わせた。

マリウスの力に対抗し、次第に口が閉まっていく。

「くそっ!」

マリウスが歯を食い縛りながら短く言葉を漏らし、一方翠狼はそんなマリウスの指を噛んだまま膝を折り、彼を床に踏み倒した。