……愛されなくて孤独。

確かにそうだ。私は誰からも愛されてないし、必要とされてない。

律にこう言われて、私はギュッと眼を閉じた。

登下校、いつも送り迎えをしてくれる翠狼。

ダイニングテーブルの上の書類の山に向き合い、黙々と仕事をし、それは私が部屋に上がったあとも続く。

最後に胸に蘇ったのは彼のこの言葉だった。


『これからは抱きつくな』

謝りたくて必死で、思わずとってしまった行動だけど……彼は触れられたくなかったのだ。

……そうだよね……迷惑だよね……。

知らず知らずのうちに、私は無意識に誰かにしがみつこうとしているのかも知れない。

……みっともなくて、酷く情けなく思える。

……やめよう。

私は深く息をついた。

「……分かったよ、律。分かった」

律が唇を引き上げて笑った。