最後は独り言のように呟いて、律はその綺麗な顔にフワリと笑みを浮かべた。

「藍は俺に似てるよ、ほんとうに」

律が私の瞳を覗き込んだ。

「誰からも愛されなくて孤独なところとか、そっくりだよ」

グッと胸を踏まれたような圧迫感がして、私は思わずその苦痛に眉を寄せた。

そんな私を、律が面白そうに眺める。

「藍のママに聞いたけど……狼と暮らしてるんだって?迷惑かけてるって思わないの?」

「……迷……惑?」

声が掠れて、慌てて咳払いをしたけど手遅れだった。

「そう迷惑。狼だって藍の面倒見なきゃならないなんて迷惑に決まってる。もう観念しなよ。愛されたいなんて思わないで俺の役に立ってよ」