自分の事でもないのに瀬里が辛そうで、私は掠れた声でこう言った。

「……そこは……もう大丈夫」

私はそう言うと、ベッドから身を起こして瀬里を見つめた。

「最初は……凄く驚いたし、ヴァンパイアなんて作り話の中でしか存在しないと思ってたから信じられなかったけど……今はちゃんと理解出来てる」

瀬里はぎこちなく私を見て頷いた。

「そっか……」

「律との事は……凄くショックだった」

「うん……」

誰かに律との事を話すつもりなんてなかったのに。

なのに、次から次へと言葉が口を突いて出てきてしまう。

それに、涙も。

私は続けた。