「好き、なんだよ。あんたの事」

静まり返ったその校舎は、昼間に比べて少し不気味な程音が無い
射し込む夕日がまだ教室を照らしている

「・・・・あぁ、そう」

ゲームをしていた少年は不意をつかれ、言葉を濁した


これは世に言う「告白」であろう
勿論、少年が反応に困ったのはキチンとした理由がある

「あの、付き合ってた先輩は、どうした」

「別れた」

納得
年上で遠距離、いくら高校生だからといっても中身はただの少女
会えない日が続いて別れた、といったところであろう

「返事は後でいいから、じゃあ」

逃げる様に(比喩ではなく)教室から少女は飛び出した


何と言う事だ
今日は1学期の終業式、明日から夏休みだというのに
とんだ爆弾を抱えてこの夏を過ごさなければならないらしい


「最悪だ・・・」

この感情とどうしようもない感情をどこにぶつければいい!

「取り敢えず、相談っと」

この状況を1人で乗り切るのは不可能と考えた少年は友人を1人巻き込む事に考え至った

『告白された、どうしよう?』

それと同時に彼は思い浮かべた
いつもニコニコ微笑んでいる可愛らしい少女の存在を

「・・・・・」

行をもう一行付け足す

LINEで送り、返事を待つ

少年は考えもしなかっただろう
告白をした少女もまた、同じ人物に相談メールを送った事に