セダンから二人の男が降りて来て老人に迫る。
老人は恐怖のあまり声も出ず腰が抜けて男たちを見上げていた。
男たちは老人の胸倉を掴み懐から黒い物体を取り出す。

「拳銃・・・。」

老人はやっとで言葉を発した。
恐ろしい凶器を目の前にして、
ここは日本だよな。
と自分に言い聞かせていた。

「何やってんの?てめぇら。とりあえず、手。離せ。」

拳銃を手にした男が振り向いた先には少年が立っていた。
この見るからにヤバイ状況に割り込んでくるガキがいるんだな。
老人は自分を助けに来てくれたこととも知らず少年を見ていた。

「お前ら、殺されたくないならさっさと失せろ。」

男の低い地響きのような声にも屈さず今度は背後から声がした。

「失せるのはてぇめだ。クズ。」


さっきの少年と瓜二つの少年が背後に立っていた。