「何の用だ、クズ。」


炎道は、やはりペテン師とは言わなかった。

「今日はペテン師って呼ばないんだ。」

私はわざとらしく言った。

「はぁ?」

「それに、一人で帰ってる。」

「だからどうした?」

「図書館で会ったときと昨日が全く別人みたいだよ。」


「あっそ、『みたい』だろ?だからなんだ?もう、帰っていいか?だるい。」


炎道は歩き始めた。

私も慌てて追いかける。

逃げるなよ~。

ちゃんと聞きだしてやる。

「もし、『みたい』じゃなかったら?」


私は意味ありげに顔を覗き込むようにして聞いた。

すると、


バシッ・・