来るな、来るな。だるいから。

今、近くに女子いるから。

「神崎。ちょっといいか?」

う、話しかけられた・・。

「よくない。」

私は即答した。

「待てよ。」

とっさに腕をつかまれた。

腕を払いながら私は冷たく答えた。

「話しかけんな。」

さすがの炎道もイラッときたよう・・。

「へぇ、そんなに意識してくれてんだ。」

何言ってるの?

「はぁ?なわけないでしょ。ナルシスト君。」

ついむきになった。

「言うねぇ、頑固ババァ。」

負けじと言い返してくる。

「脳みそ腐ってんじゃないの?単細胞生物。」

言われたら言い返す。

私は一歩も譲る気はなかった。

「お前、何か隠してそうだし、

人騙すの得意そうだから、ペテン師でいいんじゃね?

これから、ペテン師って呼ぶわー。」

妙なことを言ってくる奴だ。

「外見で判断すんな、おたんこなす。」

すると、炎道は得意げに口を開いた。

「なんだペテン師、話してくれるじゃん。」

炎道はニカッと笑う。

あぁ、しまった。

ついつい話してしまった。

何だ、こいつのイライラする性格は。

あんたのせいで私が目ェつけられんだから。

本当大っ嫌い、こいつと合う気がしない。

私は無視して学校を出た。いや、待てよ。

ペテン師ってあだ名は間違っていない。

確かに人を騙すことはよくある。

あいつ勘鋭すぎじゃね?

てか、図書館ではクズっていっていたのに、

クズはさっきの会話から出てこなかったな。

偶然か。