「うん。私だっていつ事故に遭ったり病気になるかわからないし。2週間だけと言われたから」
「…ふぅん」
少し気に入らないような声を出し、冷蔵庫から冷えたビールを取り出す厚哉。
「いけなかった?」
何処となく不機嫌になったように思えて聞いた。
プルタブを右手の親指で押し込んだ厚哉は、目も向けずに聞き返した。
「何が?明香は自分で役に立とうと思って引き受けたんだろう?」
「うん。だって2週間だけと言われたし」
「だったらいいじゃん。頑張れば」
別に興味も無いような顔を見せられ、私の方は変に落ち込む。
「……うん……頑張るよ…」
本当はやりたくもない早朝勤務。
朝ご飯も作れなくなるし、厚哉との少ない会話がますます減っていく。
「洗い物しないと」
スマホを手放してキッチンの流しへと向きを変えた。
厚哉の視線はそんな私の方に向けられもせず、テレビ画面へと流されていく。
カチャカチャと食器の触れ合う音とテレビから聞こえる歌番組の声だけが響く部屋。
息苦しいような空間の中で、「助かる」と安心した様な声を出した白瀬さんの顔を思い浮かべていた。
さっきは少しくらい微笑んでいただろうと思う。
でも、私が厚哉の名前を耳元で呼んだ途端、きっと表情も固まってしまったんじゃないのか。
(考え過ぎだよね。昼間の宣言に惑わされ過ぎなんだから)
「…ふぅん」
少し気に入らないような声を出し、冷蔵庫から冷えたビールを取り出す厚哉。
「いけなかった?」
何処となく不機嫌になったように思えて聞いた。
プルタブを右手の親指で押し込んだ厚哉は、目も向けずに聞き返した。
「何が?明香は自分で役に立とうと思って引き受けたんだろう?」
「うん。だって2週間だけと言われたし」
「だったらいいじゃん。頑張れば」
別に興味も無いような顔を見せられ、私の方は変に落ち込む。
「……うん……頑張るよ…」
本当はやりたくもない早朝勤務。
朝ご飯も作れなくなるし、厚哉との少ない会話がますます減っていく。
「洗い物しないと」
スマホを手放してキッチンの流しへと向きを変えた。
厚哉の視線はそんな私の方に向けられもせず、テレビ画面へと流されていく。
カチャカチャと食器の触れ合う音とテレビから聞こえる歌番組の声だけが響く部屋。
息苦しいような空間の中で、「助かる」と安心した様な声を出した白瀬さんの顔を思い浮かべていた。
さっきは少しくらい微笑んでいただろうと思う。
でも、私が厚哉の名前を耳元で呼んだ途端、きっと表情も固まってしまったんじゃないのか。
(考え過ぎだよね。昼間の宣言に惑わされ過ぎなんだから)