「京都で住む家は、お義父さんの家で不自由ないし……あけりも、そのほうがいいよね。……うちの実家の近くに1件建ててもいいけど……あけりのプレッシャーになっても嫌だし……やっぱり、どこか海辺か琵琶湖畔の別荘にしようか?」
薫のおうかがいに、あけりは首を傾げた。
別荘……何だか、ピンと来ない。
「特別、海が好きというわけでも、山が好きなわけでもないし……別荘って、不便でしょ?それなら、薫さんが練習の拠点にできるようにバンクの近くでいいんじゃない?」
そう言ってから、ハッとしたようにあけりは言った。
「そうだわ。道場とトレーニングジムを兼ねた家がいいわ。聡くんだけじゃなくて、今後、弟子が増えた時に、寝泊まりできるように……。いっそ、サイクルセンターの近くでもいいかも……。」
急にテンションの上がったあけりに、薫は苦笑した。
「……やれやれ。あけりと子供がゆっくりできる家を建てるって話なのに……俺の仕事メインになってるよ、それ。……ホントに、自転車が好きやなあ。……ありがとう。」
何故かお礼を言われて、あけりは少し恥ずかしくなった。
「まあ……もともと私も自転車馬鹿だったから。」
薫はしばし考えて、うなずいた。
「そやな。それもええな。……ほら、師匠があんなヒトやから、そういう場所なかったけれど……俺が作ったら、逆に、弟子やら練習仲間だけじゃなくて、師匠も入り浸りそう。あけりも、しょっちゅう師匠に会えたら元気出るやろ?……そういう場所、作るか。」
あけりはうれしそうに目を輝かせた。
「素敵。じゃあ、場所はバンクの近く。駐車場も広いスペース必要ね。……建物も平屋がいい。」
「うん。バリアフリーで、ハウスシックが出ない建材で。それじゃ実家とつきあいのある工務店さんに相談してくるよ。俺はあまり興味ないからさ、壁紙とか床とか……全部、あけりが決めてな。暇やろ?」
薫は、そう言って、ウィンクして見せた。
「……ありがとう。」
あけりだって、別に家にこだわりはない。
幼い頃は、母と2人、狭いアパート暮らしだった。
しょーりさんと母が結婚すると、広い新築マンションに引っ越した。
そして、今はパパさんの所有する豪邸と呼んでもおかしくない一軒家。
薫のおうかがいに、あけりは首を傾げた。
別荘……何だか、ピンと来ない。
「特別、海が好きというわけでも、山が好きなわけでもないし……別荘って、不便でしょ?それなら、薫さんが練習の拠点にできるようにバンクの近くでいいんじゃない?」
そう言ってから、ハッとしたようにあけりは言った。
「そうだわ。道場とトレーニングジムを兼ねた家がいいわ。聡くんだけじゃなくて、今後、弟子が増えた時に、寝泊まりできるように……。いっそ、サイクルセンターの近くでもいいかも……。」
急にテンションの上がったあけりに、薫は苦笑した。
「……やれやれ。あけりと子供がゆっくりできる家を建てるって話なのに……俺の仕事メインになってるよ、それ。……ホントに、自転車が好きやなあ。……ありがとう。」
何故かお礼を言われて、あけりは少し恥ずかしくなった。
「まあ……もともと私も自転車馬鹿だったから。」
薫はしばし考えて、うなずいた。
「そやな。それもええな。……ほら、師匠があんなヒトやから、そういう場所なかったけれど……俺が作ったら、逆に、弟子やら練習仲間だけじゃなくて、師匠も入り浸りそう。あけりも、しょっちゅう師匠に会えたら元気出るやろ?……そういう場所、作るか。」
あけりはうれしそうに目を輝かせた。
「素敵。じゃあ、場所はバンクの近く。駐車場も広いスペース必要ね。……建物も平屋がいい。」
「うん。バリアフリーで、ハウスシックが出ない建材で。それじゃ実家とつきあいのある工務店さんに相談してくるよ。俺はあまり興味ないからさ、壁紙とか床とか……全部、あけりが決めてな。暇やろ?」
薫は、そう言って、ウィンクして見せた。
「……ありがとう。」
あけりだって、別に家にこだわりはない。
幼い頃は、母と2人、狭いアパート暮らしだった。
しょーりさんと母が結婚すると、広い新築マンションに引っ越した。
そして、今はパパさんの所有する豪邸と呼んでもおかしくない一軒家。