第2話初デートのはずが、(櫂編)
今日は待ちに待った真央とのデート!
俺は早急に支度を終え真央の家に向かった。
交差点に差し掛かった頃だった、車のクラクションの音が近くで聞こえたのは、でも正確には、音よりも車が突っ込んでくるほうが早かった。何故ならそんときイヤホンをしていたから。
俺の目の前は突然暗くなった。
(早く、真央のとこらに行かなくちゃいけねーのに!)
・・・・・・・・・
(ここはどこだ?俺は一体何をしてる?
体が動かない。あいつが泣いてる。あいつってだれだ?俺の名前は?)
そんなことを思い目を覚ました。
1番初めに映ったのは、泣いて喜んでいる人達の顔だった。
「、、、だれ?、」
「櫂!私達が誰かわからないの?」
この人たちは誰なんだろう。どうしてないているんだろう。
「櫂って誰ですか?」
そう言うと女の人は泣きながら部屋を出て行った。残っていた男の人がすべてを説明してくれた。説明を聞いても俺の中はぐちゃぐちゃで理解できなかった。そのあと病室でのんびりしていると、いきなり病室のドアが開いた。そこにはボロボロと泣く女と黒ずくめの男の人が立っていた。次の瞬間その女が俺に抱きついてきた。俺は一瞬固まっていた。
「あんた誰?」
女は目を見開いて驚きを隠せないでいるようだった。
「私のことわからないの、、、、、?」
「あんたみたいな人知らない。」
そう言うとその女はまた泣き出しそうな顔でこう言った。
「私の名前は都並真央。あなたの幼馴染。」
正直戸惑った。なんて言ったらいいのかわからないけど俺は言葉を繰り返すことしかできなかった。
「俺の幼馴染?
ごめん。思い出せない。」
そう言うと、都並真央とか言う奴は走って病室を出て行った。なんて騒々しい女なんだろ
と思うのに、あの女の泣き顔を見てなぜか心が痛かった。