アパートに近付くと街灯に映し出されたシルエットに胸がときめく。


「センリ!」


予想通りセンリが来ていたので笑みを溢しながらセンリに駆け寄る。


「また傘さしてないんだから」


「サワだってさしてないじゃん」


「わたしは仕方ないの。出掛けに降られちゃったんだから。とりあえず中入って」


センリの大きな手がわたしの手を優しく包み込むように握ってくる。


「サワ手ぇ、冷たっ。サワ先にお風呂入りなよ」


「えっ、いいよ。センリの方が濡れてるんだからセンリが先に入っちゃいなよ」


わたしは少し濡れただけだけど、センリの方が雨に濡れていたから。


「んー、じゃあさ。一緒に入る?」


………一緒に?


「〜〜〜っ、バカ言ってないで先に入りなさい!!!」


「ハハハ、サワに怒られちゃった」


反省してる素振りを見せずに脱衣場に入っていくセンリ。


一緒にお風呂なんて、入れる訳ないじゃん。バカセンリ。


わたしのこと、どう思ってるの?