「センリ!お待たせ」


「サワ、こっちこっち」


わたしを見つけて大きく手を振るセンリに駆け寄ると、センリはわたしの緩く巻いた毛先を指で掬った。


「ん。サワ、可愛い」


だけどわたしを見つめていた瞳を少し遠くに向けて睨んでいるセンリ。


センリの目線の先を辿ると先程まで直之がいた場所だった。


「センリ?」


「あっ…あぁ、移動しよっか」


センリの行動を不思議に思ったのはわたしの気のせいかな?


センリは変わらずいつも通りにわたしの頭をポンっと触ったのでわたしは安心して笑みを浮かべた。