「サワに会いたくなったから」


センリは冬の北風に晒されたわたしの冷たくなった身体を温めるようにギュッと抱きしめた。


「っ!センリ…ここ、外だよ。恥ずかしい…」


「じゃあ部屋の中ならOK?」


顔を赤くしながらセンリの腕の中で小さい首を縦に振る。


「ふふ、サワ可愛い。早く部屋に入っていっぱいくっつこうか」


さっきの機嫌の悪そうな感じはわたしの気のせいだったのかな?


嬉しそうに笑うセンリに頷いてわたしはセンリと一緒に部屋に入った。


雨の降っていない日にセンリがわたしの家を訪れたのは初めてのことで、


真相はわからないけど「会いたかったから」と言ったセンリの言葉がとても嬉しかった。