石原さんは星崎さんの姿を見つけると、私たちが座っているテーブルに歩み寄ってきた。

初めて――と言っても、実物で見たのは2回目になるのだが――目にした石原さんの全体の姿はとてもスタイルがよくて、まるでモデルのようだった。

こんな人が2股だなんて、今でも信じられない…。

複雑な心境で見つめていたら、
「いきなり話がしたいんだなんて、急にどうしたのよ?」

石原さんはそう言うと、椅子に腰を下ろした。

「あら、その人は…?」

石原さんが私の存在に気づいた。

「初めまして、星崎稔さんの部下の森脇直子です。

話しあいの立ち会い人として参加させていただきます」

自己紹介のついでに事情を説明した私に、
「はあ、そうですか…」

石原さんは戸惑いながらも納得をしたくれたようだ。